ロレックスを軽くゆすった時にシャカシャカと何か擦れているような異音がする場合、「ローター芯の摩耗」が考えられます。
下記画像はロレックスの多くのモデルに搭載されているCal.3135です。半円状のパーツがローターで、腕の動きに合わせて回転することでゼンマイを巻き上げてくれる自動巻機構の要をなすパーツです。

潤滑油が経年劣化によって切れてしまうとローターの中心にある軸(ローター芯)が摩耗し徐々に削れてしまうのです。
ローター芯が摩耗するとどうなる?
ローター芯が削れて細くなるとローターの回転軸にガタつきが生じ以下の現象が起こります。
- 異音の発生:グラついたローターが、時計の裏蓋やムーブメントの受け板に接触し、「シャカシャカ」「ガリガリ」といった擦れ音や異音が発生します。受け板のメッキが削れて地が露わになってしまうこともあります。
- 巻き上げ効率の低下:スムーズに回転しなくなるため自動巻きの効率が落ち、時計が止まりやすくなります。
- 内部への深刻なダメージ:削れた際に出る大量の「金属粉(鉄粉)」が時計の内部全体に回ってしまい、他の歯車を傷つけたり止まりの原因になります。
↓ローターが削れたことで内部に大量に散らばった金属粉

↓摩耗したローター芯

放置は厳禁!早めのオーバーホールを
ロレックスは頑丈な時計ですがパーツの潤滑油には寿命があります。
「異音はするけれどまだ動いているから大丈夫」と放置してしまうとローター自体が激しく削れてしまい、最悪の場合はローターそのものの交換や周囲の多数のパーツ交換が必要になり修理費用が高額になってしまいます。
定期的(3年〜5年)なオーバーホール(分解掃除)を行っていれば油切れによる摩耗を未然に防ぐことができます。また、すでに異音がしている場合でも早めに対処すればローター芯の交換だけで済むケースがほとんどです。
「最近、時計を振ると変な音が聞こえるな…」と感じたら大切なロレックスを傷つけてしまう前にオーバーホールをご検討ください。
ちなみにロレックスとともに当店が精通しているオメガ(ETA Cal.2892系やETA Cal.7750系)では同様の症状はあまり起こりません。下記画像のようにボールベアリング方式を採用しておりローターの構造が違うためですが、一方で潤滑油切れを起こすと別の部分に不具合が出やすいなどムーブメントごとに特徴が異なります。

